わが社では長年働いてくれていた社員をご褒美感覚で役職者にしていましたがその歪みをどのようにして直したらよいでしょうか？

この問題は歴史が長い会社でありがちの問題です。
マネジメントの何たるかをわからずに役職のバーゲンセールを行い
能力や役割とは連動しない役職が多く存在する組織になっている会社があります。
社長がマネジメントを学び組織の在り方やマネジメントのあり方を理解したのはいいのですが、
あるべき論と実際があまりにも違いすぎるために、どうすれば犠牲を少なくあるべき組織への変更が
出来るかを問われた問題です。

能力は無いけれど会社に長く在籍している社員を傷つけずに変わっていただくにはどうしたらよいか
という問題に読み直しました。対策は如何に？

人は誰でも既得権益は守りたいですし、いくら自分では問題を理解できていたとしても
給与が下がったり降格は嫌なものです。経営者が経営を間違えていたわけですから、
自分の非を社員に謝ることは必然ですが、処遇を下げなければいけない人に対して
どのように伝えれば傷を少なく出来るかが問題になります。

この問題を解くにあたり、西郷隆盛と稲盛さんの例を参考にしてください。

西郷隆盛は「功のあった人には禄を与えて能力がある人は位を与えよ」
と言われていますがこれを用いれば良いのです。つまり長年働いてくれた人
には高い給与で報いれば良く位には目をつぶっていただく必要があります。

それに関して稲盛さんはこういわれています。「会社を大きくするには
能力がある人を入れなければいけないそのことで君たちはその人に使われることに
なるが赦してくれないか、君たちが赦してくれないならこのままの会社から脱皮が
できないが仕方が無いと思っている。私のわがままを赦してくれないか？」
結果赦してもらえて組織を変革することが出来たのです。

これらの考え方を使えば良いのです。

経営者が自分の非を社員に伝えて赦してもらうことが大事です。
また理屈を述べて納得して頂くことも大事です。
その場合生活に直結する給与水準は彼らの非で変わるわけではないので
手をつけてはいけません。

大事なことはマイナスを被る人に心地よく認めていただくことです。