優秀な技術者を上級管理者に昇進させると大概潰れてしまいます。どうしたらよいでしょうか?

質問の内容と背景

この質問は技術系の会社からの質問です。
優秀な技術者は専門職を求めます。自分の技術が最先端でありたいのです。
それを管理職に抜擢?するとどうしても先端の技術から離れてしまうので
心中穏やかではなくなりますし、売り上げ、利益の責任を持つとやりたいこととのギャップに悩み
潰れてしまうケースが多いのです。

「自分は専門職でありたい」という人たちの集団でのマネジメントはどうすればよいか?が今回のテーマです。

技術者集団でのマネジメントをどうするか?

技術者の思考パターンとは?

技術者は一般的には良い技術者であればあるほどマネジメントは嫌います。
現場での仕事を通して自分の専門能力を高める事を目指したがるのです。
ですから一般人の常識?であるマネジメント職に昇進することによる出世?は嫌います。
中にはマネジメント向きの人もいますが比率とすればあまり高くありません。
そのような中でどのようにしてマネジメントを行ったら良いでしょうか?

難しいことは技術者は優秀な人で自分が認めている人の言うことしか聞かない傾向がありますので
優秀な人の言うことしか聞かないけれど優秀な人はマネジメントを嫌がるというパラドックスをどう解決するかが
ここでの問題です。

その解決としていくつかの例を挙げて説明します。

有名な具術開発型企業(社員の60%が技術者)の例

その会社は技術者は実質的には定年が40歳です。
40歳になると3つのコースから選択しなければいけません。

1,技術の第一線からは身を引いて古い技術や簡単な技術分野で技術者を続蹴る
2,管理職になる。評価基準はどれだけスターを育てるかでありその人の技術は評価されなくなります。
3,営業職に回り技術営業として技術力を生かす。

つまり若い人を伸ばすために40歳からは題意線を離れて優秀な誤術者がやりたがらない技術分野か
管理職か営業で組織を支える立場に変るのです。

会計事務所やコンサルテイング会社、病院などでの成功例

これらの組織も優秀な人の言うことしか聞かない人種でマネジメントはしたくない
これを解決しなければ組織を保てない。そこでうまくマネジメントしている組織は以下の工夫をしています。

1,マネジメントは技術者以外の人に任せる:この場合言うことを聞いてもらえる人は
素直に聞きながら内容を理解して技術者の素晴らしいところを十分認めて生かせる人にお願いする。
2,技術者で技術は捨ててマネジメントに徹する覚悟が持てる人

別の人種でなじめる人を使うか同じ人種で技術からマネジメントへの転身を図れる人がマネジメントを行えるのです。

展開内容

他の会社での成功例を聞かれてやはりそうですよね
となりました。
そこで問題です。
管理職向きの人を他の仕事で成長してきた人にお願いする場合の条件は何でしょうか?

A::太鼓持ち型で技術者を立てて自己尊厳欲求を満たせる人

B:出来る人に仕事内容を聞きながらその技術組織の管理の要諦を把握して差配できる人














答え















答えはBです。
確かに自己尊厳欲求を満たせる必要はありますが、
大事なことは技術を高めるマネジメントを行うことです。
それが出来る事を目指せる方にお願いしなければいけません。

今日からできる実践

自社の組織で専門職で生かした方が良い人がいるかどうかを考えてみましょう

今日の実践は管理職の棚卸しです。
特に技術系の会社ではマネジメントは向いておらず専門技術を伸ばした方が組織貢献できる人が
おられますのでそのような方がいないかどうかの検証が本日の実践です。
技術系の会社ではマネジメントがネックになりますので今回の例を参考にしながら
マネジメント人材の棚卸しを行いよりよい人事を目指してください。