値上げの際に考慮すべき事を教えてください

最近原料価格の値上がりが著しいことから値上げが必須の状態になっています。しかし下手に値上げをすると顧客から見放される可能性もあり怖れがこみ上げてきて躊躇したくもなります。その中で出された質問です。どのような視点で値上げを捉えるかが問われた問題です。

値上げに際しては３つの視点が必要です。
１，競合との関係：価格を業界での引導者としての位置づけの会社は自分が真っ先に値上げをする。追従者の場合は他社の動きを見ながら遅めに対応する。
２，需要の価格弾力性：これは経済学の概念です。価格変化と需要変化の関係を示した概念です。高級財は値上げをしてもあまり需要は減らずかえってあがったりもしますが標準品は価格を上げると大幅に需要が減少します。劣等財はより大きな値下げで需要は大幅に増えます。このように財（商品）の性質により価格と需要の関係は異なりますので商品の性質を考慮しながら価格政策を決めたいものです。
３，戦略：これは会社での価格政策で売上や利益のバランスを如何に取るかで変化をつけることです。例えば見せ筋、売り筋、儲け筋など商品ごとの役割を定義してそれぞれの役割を際立たせて業績に繋げます。

これらを考慮しながら価格を決めますが総合的には稲盛さんが言われている「お客様が喜んで買って下さる最高価格」が正解です。そうなるように商品全体での役割を考慮しながら商品の性格を考慮して値上げ幅を決めたいものです。

全てを考慮すると大変ですのでセブンイレブンがやっている増やす商品と辞める商品だけを考慮し後は一律にするといった考え方を取り入れると良いでしょう。値上げの場合は先ほど示した３つの視点に外用する目玉商品を数種選び出してそこを慎重に考慮してそれ以外は原価の変化をもとに一律に値上げするなどの緩急をつけたいものです。

蹴上げの基本は原価の回収ですので、原則は同率で時期を外さず値上げすることですが、先ほど述べた視点を意識して値上げを機に売上や利益を改善させる機会や歪みを解消する機会にしたいものです。


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