部下を指導する際にどうしても固定観念に振り回されてしまいます。それを直すにはどうしたらよいですか？

これは管理職が全員常に気にしなければいけない重要な指摘です。
残念ながら我々は人を見るときに、以前形成された固定観念に左右されており
今に生きていません。この管理職の方は立派で、そのような自分の実態を反省されており
なかなかそれから脱出できない自分を変えるための方策を問われました。

管理職全員が心して対応していただきたい重要課題です。

まず管理職が押さえておいていただかなければならないのは、
我々は誰でも無意識に過去に作ったイメージを固定観念として持ち
判断基準にしてしまっているという現実です。これは脳が省力化して
現在の危険に対処できるために考えなくともよい、あるいは注意を払わなくともよい
ようにすることで安全を確保している現実です。これは無意識にそうなっているために
普通は気づいていません。

しかし部下の立場からすると迷惑な話です。マネジメントの用語ではは「「階梯理論」
と言って梯子を本来は上まで昇らなければ景色は正しくは見れないけれども、残念ながら
一二段昇って「こんなもんだ」と固定観念を形成してそれを変えずにもち続けるというものです。

マネジメントは各人の能力や特徴を生かしながら、その人に与えられた役割を発揮して
頂かなければいけないのでこの現実を意識して変えていただく必要があります。

このようなまがった見方をする理由を二つの観点で考えます。
第一は脳科学的な観点です。脳は自分の都合で見ますので、
自分が見たいように見ます。ですから実態を見ておらず、
実態を見れるように矯正する必要があります。
第二に鏡の法則です。脳科学的な見方を裏づける見方ですが、
「自分の知覚は自分の心の投影」です。多くは罪悪感を投影しますので
長所は見えず短所が良く見えてしまいます。

だとするとその見方を変える必要がありますが、実態の見方と長所の見方です。
第一に実態の見方です。これは本人が何を言っているかには関係なく
どのような行動をしているか？なぜそうするか？という観点で見ることです。
なぜなら人の行動は無意識に支配されていますので、言っている事よりも無意識が
どうかが大事で、それは行動に顕れるからです。
第二に長所をみる見方ですが「美点探し」を推奨します。それは意識して本人の美点を見て
それを記録しながらその人に対する固定観念を変えていく見方です。

これらは実際に私は意識して実践しておりますが効果がありますのでぜひご活用ください。

無意識の固定観念を変えるという事は習慣を変えることですので
時間がかかります。脳科学的には毎日行って７か月かかります。

私は常に意識して手帳を活用しながら気づいたらその事実を一人一人のページに
書き込んでそれを暇なときには見る習慣をつけながら実践しました。
気の長い話ですが脳や無意識の歪みを変える行動ですので特に意識しながら
長丁場で取り組む必要があります。

頑張ってください！ご健勝をお祈りします。