「何にでも相談に乗るので相談してくれ」と社員に問いかけていますが、一向に相談してくれません。どうすればよいですか？

これはよくある話です。社長や管理職は一般社員から見ると恐ろしい存在です。自分の生殺与奪件を握っているだろうと思われていますので、よほど信頼されており安全が確保されていると思われなければ相談してはくれません。その辺のからくりや対策を問われた問題です。

これはビジネス全てに亘る問題です。我々は「えもいわれぬ怖れ」に支配されておりなかなか前に出れません。「叱られるのではないか」「嫌がられるのではないか」「バカにされはしないか」などといらぬ勘ぐりをして前に出られません。子供の頃は怖れが少なく積極的だったものが、大人になるにつれ嫌な経験を積みながら知らず知らずのうちに防衛の鎧が出来てしまったのです。

人は誰でも無意識では一番でありたいと思っています。しかし脳は「嫌なことは忘れる」性質があるために、一番になるには凄い努力が必要でそれはしたくないので一番になりたいという願望を忘れるようにしているのです。それが証拠に少しでも批判されたり自分を低く見られたらいたく傷つくのです。

対策とすれば「信頼と安全」な環境を作る事です。信頼についてはアドラーは二つの条件を示しています。第一に仲間だと思ってもらえること。第二に自分を優秀だと思ってくれていること。これを相手本位で成し遂げてはじめて信頼関係が結べます。その後で安全を確保させれば良いのです。安全には「相談したら得する」と思っていただく事です。大変ですが頑張って下さい。

自分と人は違います。あくまで相手本位で考えて相手の顔色を見ながら信頼されていることを確認しながら緊張感無く雑談が交わせる関係になっているかを確認しながら関係性づくりに務めて下さい。


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