経営における役職者の役割を分かりやすく教えてください
質問の内容と背景

多くの会社で役職があっても職務分掌や職務内容、実力と評価などが
なかなか整合性が取れていません。
そこでいろいろな会社の例を調べてみるのですが、なかなか納得いく例を見ることができません。
そこで出た質問です。
組織をどうとらえて役職を整るしたらいいのかを問われた問題です。
組織における役職をスッキリと理解するには?
組織とは何か?
会社は能力に限りがある人たちが集まって大きな成果を上げるためにできた
目的志向性集団です。
ですからそこに集う人たちは目的を共有していなければいけませんし、
目的を達成するために、分業体組織を作り、役割を分担して組織に協力と貢献を
しなければいけません。
組織は目的を達成するために必要な機能と責任権限を配分してお互いが協力と貢献をしながら
目的を達成するために作られた効率性を上げるための仕組みです。
役職はその協力と貢献を確実にするための組織の各役割達成のための単位の責任者です。
ただし一般には決められた職務分掌や責任権限を決めた通りにできる人材が十分ではありませんので
不足を補って一般的には上位職の人が不足を補ったり指示してできる人の応援をすることで機能させます。
役職を分けるために必要な経営階層とは?
経営は大きく分けると3つの階層に分かれます。
経営層、管理層、実行層です。
1経営層:経営層は「仕組みにゆだねて結果を出す」階層です。
経営における前提を作ります。
経営層は決めた仕組みをその通りに運用することで結果を出せるようにするのが役割です。
2、管理層:管理層は経営層が決めた仕組みを与えられた人員の能力をうまく引き出しながら
協力と貢献をさせながら結果を出すことが役割です。
3、実行層:実行層は自分に与えられた職務分野を工夫しながら「決められたことを決めた通りに行う」
ことで結果を出すのが役割です。
経営層の役割とは?
経営層は3つに分かれます。
社長、役付役員、そして取締役です。以下その役割の概要を説明します。
1、社長:会社の全責任を負います。ですから役割は「方向を示して、
決断して、責任を取ること」です。
2、役付役員:社長から任された事業や機能の責任を負います。
社長が万能ではないことから機能分担することでより仕組みを有効に機能させるのです。
一般にCOO,CFOなどがこれに当たります。
3、取締役:決められた機能や事業の責任を負います。
役付役員との違いは守備範囲の大きさの違いです。
管理層の役割とは?
管理層は2つに分かれます。
部長と課長です。以下その役割を説明します。
1、部長:部長は組織の調整役です。組織が有効に機能するには
会社間、部門間、上下間、部門内での対立を解消する必要があります。
そのためにミッション、ビジョン、フィロソフィーを使いながら対立を解消して
組織を有効に運営するのが役割です。
2、課長:課長は会社で最も大事な現場の責任者です。
実務技術に責任を持ち一人前の実務者を作り現場を円滑に運用するのが役割です。
実行層とは?
実行層は2つに分かれます。
係長(主任)と担当者です。以下その役割を説明します。
1、係長:あるプロセスか課のプロセス全体を安心して任せられる人です。
「任せて安心な実務能力を備えている人」が定義です。
2、担当者:あるプロセスを負かされた人で補助や指導が必要な人です。
自分がまだ未熟なことを理解して質問したり協力をしながら実務能力を高めていく必要があります。
この人たちの質問力で管理職の人材育成能力が育ちます。
組織を有効に機能させるには?
組織は分業体ですから、自分の役割を誰もが自覚して確実にその役割を果たしたら
うまくいくのですが実際はなかなかそうはいきません。
うまくいかせるために必要なことは以下です。
1、お互いの役割と実態を理解してお互いに歩み寄ったり協力し合う。
2、組織区分ののりしろでは役割をだぶらせて円滑にバトンタッチができるようにする。
3、声を掛け合ったり顔色を見ながら協力しやすい環境を作る
これらを意識してもなかなかうまくいきません。
それはなぜでしょうか?
A:「自分は特別な存在でいたい」という自我が邪魔をして対立が起きたりやるべきことをやり切れない
B:コミュニケーション不足で協力と貢献が不完全にしかならないので所定の結果が出せない。
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答え
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答えはAです。Bも確かに該当するのですが、そもそもコミュニケーシンが円滑にならないのは
自我の影響です。人間関係で対立が起きるのも自我の影響です。
ですから実は組織にとって最大の敵は自我です。
だとすると組織を円滑に運用するには社員の自我をいかに退治するかが最大のテーマです。
今日から出来る実践
自社の役職と役割を見直して職務分掌、責任権限を整理しましょう
本日は自社の役職と役割を見直して職務分掌と責任権限を見直してみましょう。
実はこれはどこの会社も曖昧模糊としています。
どうとでも取れるのです。なぜなら誰もが責任を取りたくないのであいまいを見過ごしているのです。
それでは自我の温床となりうまく組織運営ができません。
ですから本日は自我の温床を断つためにもしっかりと見直してみましょう。