各役職者の役割はどのように考えたらよいですか?

質問の内容と背景


ある会社のコンサルテイング現場で出た質問です。
社長以下管理職は皆担当を持ち横一線になっており役職に差はありますが、
実質的な差はありません。本来役職別の役割をどのように考えたらよいのか?
と質問を受けました。

違いをどのようにつけて、評価したらよいのかがテーマです。

論点整理

役職による役割の違いと何ができなければいけないか、
何をどう評価したらよいかが問題になります。
そう考えますと論点は以下の3つです。

1、経営の役割にはどのような区分ができるか?
2、それぞれは何をして何ができなければいけないか?
3、それぞれに対して何をどう評価すればよいか?

以下順を追ってご説明します。

1、経営の役割にはどのような区分ができるか?:経営には仕組みにゆだねて結果を出す経営と
人にゆだねてかえっかを出す管理と自分が動いて結果を出す実行とがあります。

経営は分業体を作り、役割と責任を配分した組織を作り、そこに配置した人、物、金、情報が
各役割を発揮して経営目的を達成できる仕組みを作り運用し結果を出すことです。

管理は経営者が決めた仕組みに応じてそこに配置されている人員の力を引き出しながら、
それぞれの役割を発揮させて結果を出すことです。

実行は自分に割り当てられた仕事を管理職の指導監督のもとの行い結果を出すことです。

2、それぞれは何をして何ができなければいけないか?:まず経営者は経営ができなければいけません。
経営は自分が作った仕組みでそれぞれの配置された資源が役割を発揮して経営目的を達成できることです。
仕組みの整備。運用が仕事です。そしてそれぞれが経営者が配分した役割を十分認識して、自立して
力を発揮して結果が出なければいけません。
やることは「方向性を示して、決断して、責任を取ること」です。

管理は人を理解して技術面で一人前にできる課長さんと課長さんを使いながら部門間、会社間、上下間、部門内の翻訳調整を行いながらそれぞれの力を発揮させて結果を出させる部長さんの仕事があります。
人間関係の問題を扱い良い人間関係を構築してそれぞれの持つ力を発揮させることができなければいけません。
「彼は能力が低いので自分がやった」はダメです。あくまで人材育成ができなければいけません。

実行は与えられた役割を自ら行い結果を出さねばいけません。
自らの役割を認識して、積極的に管理職に質問や指導を依頼しながら、
期待されている結果を出さなければいけません。
実行では実務力がなければいけません。

3、それぞれに対して何をどう評価すればよいか?:経営者の評価はどれだけ「社会貢献、顧客貢献、社員貢献ができる仕組みを整備・運用してどれだけ結果(売上、利益)を出したか」で評価されます。

管理は経営者が作った仕組みを活用して、どれだけ人材を自立させて、
成長させて、結果を出させられたかで評価されます。

実行はどれだけ積極的に上司を活用して自らを成長させて、
自らに課されている目標を達成できたかで評価されます。

展開内容

この会社ではISOの仕組みを使いながら各役職の力量とそれを確保するための教育を
制度再設計してメリハリのある仕組みを回そうとなりました。

そこで問題です。力量(何がどうできるか)と評価基準の設計が重要性を持ちますが、
以下のうちどちらの考え方がいいと思いますか?

A:各役職ごとに力量と教育内容、評価基準を決めて運用する。

B:正しいことは決めてもできないので、何にどれだけ時間を使ったかを測定しながら、
自分や部下の時間の使い方の実態をつかみながら行動を変える運用を行う。










答え








答えはBです。
Aは正しいのですが残念ながら人間は正しいことはできません。
なぜなら人間の行動は無意識だからです。
自分がちゃんとしていると思っても実は無意識に逃避行動を行っており幼少期に無意識に獲得した
ライフスタイルに沿った行動をしています。
それを治すには本来自分は何をすべきかを決めて理解したうえで、
何にどれだけの時間を使ってどれだけの成果が出たかを調べながら、
行動の型を変えながら結果が出る行動が無意識に取れるようにしていかなければいけません。
一般に社員の行動はブラックボックスになっており、
無意識の逃避行動が野放し状態で行われているのです。


今日からできる実践

業務のプロセスを設計しましょう。

各業務を仕事のまとまりごとにプロセスとしてどのような流れで行われているかを
示してみましょう。
たとえば営業であればプロセスは以下のようになります。

アプローチ先のリストアップ→テレアポ→訪問→見積もり・提案→決定・契約→出荷手配→契約履行→債権回収

これらの各一つ一つがプロセスになります。
プロセスごとのインプット、活動、アウトプット、方法、力量、評価を定義して品質を安定させます。

プロセスオーナーに責任を持ってその役割をさせましょう

プロセスを決めたらその責任者(プロセスオーナー)を決めて、
その人に責任を持ってその仕事をさせましょう。
大事なことはやるべきことを本人と上司で共通認識にコミットさせて、
責任感を与えて何が何でもやるぞと動機付けするのです。

内圧・外圧を設計して運用させましょう

外圧は顧客から会社の担当者に要求させて、担当者がやらざるを得ない状況を作ることです。
顧客からの要求は最優先で行わなければいけませんの逃げられませんし、
それで育てられるのです。ですから部長が顧客に出向いて「わが社の社員には
このようなことを質問したり要求して育ててほしい」と依頼をして外圧を人為的に作ります。

また内圧は社員間の監視です。お互いがそれぞれの役割を認識して、逃げずにやりきったり、
協力関係を結びながらやらざるを得ない関係性を作ります。それが内圧です。
内圧を作り「見て見ぬふり」を撲滅します。
「全員が審判員の目を持つ」状態を社内に設計して素晴らしい社風を作りましょう。

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