社員が指示待ちになってしまいます。どうしたら直りますか?

ある経営者からこのような相談を受けました。

「私は部下の手本になるべく部下を指導しています。しかし私の意に反して部下は指示待ちになり、自分で考えようとしないばかりか、言われたことしかしてくれません。私を見習い同じようにやってほしいと言っても一向に変わりません…」

なぜそうなってしまうのでしょうか?

部下が指示待ちになる原因とは?

これは中小企業の社長様に共通した悩みです。
そして原因は3つあります。

1.やらなければ社長がやってくれるのでやらない

人は自分が低能だと思われたくなく、また失敗して傷つきたくはありません。
「やれば出来る」と自分に自信がある人ならば、失敗しても出来るまで諦めずにチャレンジ出来ますが、自信がなければ出来ればやりたくないと考えます。
そこで自分がやらずに先延ばしし、他の誰かがやってくれたらいいなという心情となり、最終的に「社長にやってもらおう」となるのです。これは実は社長との駆け引きなのです。
そうです、駆け引きに負けてはいけません。

2.誘引よりも防衛が勝っている

人が行動できるかどうかは、誘引と防衛の綱引きによります。
誘引はやりたいと思う動機です。
防衛は恐れや不安により傷つきたくない、失敗したくないという恐れからの逃避行動です。
本人にとってどちらが大きいかで行動が決まります。
行動せずに指示待ちになるというのは防衛が強いのです。

3.自信が無い

自信がある人は自己信頼が出来ている人です。
自己尊厳が高く、失敗してもいつか必ず成功すると強い意思を持ちチャレンジし続けます。
しかし自分の能力に疑問があり、自己尊厳を欠いている人は自信を持てずに何とかして逃げようとします。
傷つきたくない、低能だと思われたくないのです。
やらなければ失敗しないので傷つかずに済みますが、自分でやれば責任を負いますので、自信が無いことで責任を負わない方策を考えます。
結果社長の指示待ちになってしまうのです。

社員の指示待ちを直すには?

社員の指示待ちを直すには指示待ちになる原因を無くせばいいのです。
3つの原因に対してそれぞれ方策を打ちましょう。
その際の方策には以下の二つの方向性がありますが、どちらが有効でしょうか?

:やらざるを得ない環境を作る

:出来るように教育する

↓  

答え





誰でも何にでもなれる

答えはAです。

人は誰でも素晴らしい力を持っています。
アドラーは「誰でも何にでもなれる」と言っています。
しかし自信を無くしてしまうと(劣等コンプックス)、逃避行動になり、劣等コンプレックスを補うような曲がった優越性を求めるようになります。
それは力で支配する、劣っている事を示して自分がやるべきことを人にやらせて人を支配する事で「自分の思い通りにさせた」との優越感を感じます。
先延ばし、やらずに失敗や傷つくことを回避し「もしやったら自分は出来る」と優越感を感じる、そして弱い者を助けて優越感を感じるなどです。

多くの人は幼少期に甘やかされ、自分がやるべきことを親にやらせるという逃避行動を身につけてしまっています。
親に対して取った行動を社長に対して同じように取ってしまうのです。
実はこれは無意識の目標なのです。
そう簡単には直りません。
教育でも直りません。
無意識の目標に支配されていますので、無意識の行動パタ―ンを変えるしかなく、そのためには習慣を変えるしかありません。

その習慣を変えるのは「やらざるを得ない環境を作る事」です。

今日から出来る実践

社員を変えるには社長が変わらなければいけません。
そして社員の行動が変わり習慣が変わる環境を作る必要があります。
習慣を変えるには、毎日意識しても7週間はかかりますので気長なチャレンジが必要です。
以下3つの原因に応じた環境の変え方の実践方法を提示します。

1.社長の行動を率先垂範からネガテイブ・依存に変える

社員のやるべきことを明確にし、社長・管理職・担当者の役割認識を同じにします。
そして本人がやるべきことをやらなければ帰れない環境を作ります。
分からなかったり不安なことは上司や社長に聞き、自分がやるべきことは自分でやらなければ誰もが許してくれないというような状態を作ります。

管理職も社長も社員に依存して、社員が自分のやるべき事をやらせます。
そして考えられるリスクや失敗の可能性を伝え、それを社員が回避出来るように仕向けます。
これは子育てと一緒です。
まさに「目はかけても手は出すな」です。

2.誘引を防衛以上に高める

仕事の意義を十分に伝え「自分は凄いことをしている」と思ってもらい、「なんとしてもやりたい」という気持ちを持っていただく努力をします。
人間は誰でも自分が特別で自分しかない重要な役割を発揮したいと思っています。
その意識に働きかけ内発的動機づけを行い(自らの心の内から湧き上がってる動機づけ)防衛を上回る状態を作る事です。
その人の立場に立ち、その人の考え方や行動パターンで起こりうるトラブルやリスクを想定し「自分でも回避できる」と自信をつけていただくことも大事です。

3.自信をつけさせる

自信をつけるには成功体験を積ませることです。
今出来る事を少しずつクリアーにさせながら自信をつけさせ自己尊厳を高めます。
アドラーはその作業を「勇気づけ」と呼んでいます。
仕事で貢献するには、その前提として協力関係を作る必要があります。
協力作業を少しづつレベルを上げ、それが出来るようになったら、またレベルを上げていくのを繰り返し、自信をつけていただくのです。
大事なことは「自分の事は自分でやる」習慣を身につけさせることです。

以上を参考に指示待ち対策を工夫して行ってみてください。
必ずや効果があると思います。


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