指導を重ねても成長しない社員にどう対応したらよいのでしょうか?

期待して指導してもなかなか成長してくれない社員に落胆したり、悩んだりする経営者、管理者は大勢おられます。
実際、私は表題の質問を良く受けます。
自分で勝手に期待していたにしろ、愛情を注いで指導してきただけに、裏切られたような気持ちになるものです。

私の顧客で、以下のようなことがありました。
なかなか成長しない社員が辞めたので、彼の後始末をすべく社長が仕事の形跡をたどり、フォローをしながら後任にうまく引き継ぎをさせようとしていました。
すると、社長が考えていた彼の行動と実際の行動の違いが浮き彫りになり、あまりの差に愕然としていました。
「そこまでひどかったのか?」
「彼は何にもわかっていなかったし、何もやれていない!」
と力が抜けてしまいました。


指導を重ねても社員が成長しない原因とは


確かにその社員は成長していませんでした。
でもそうなるまで認識のズレが生じてしまったことの原因は、社長の、彼との接し方にあります。
何が原因だったのでしょうか?

、社員の理解不足

その社長は、部下に指示を出す際自分の常識で「このくらいはできるだろう」とか「自分ができたのでできないはずがない」とか「彼にはこうなってほしい」と実態を見ずに指導を続けていました。
「想定内」を作っていなかったのです。

大事なことは相手の顔色を見ながら相手がどう感じているか?どう受け止めているか?を感じながら
・自分の意図が通じたかどうか?
・相手がやりたいかどうか?
・結果を出せるかどうか?
を想定しながらコンセンサスを得る必要がありますが、それができていなかったのです。

、社員の防衛本能を説いていない

社員がやる気になって失敗する勇気を持ちながら仕事にチャレンジできるには、防衛本能を解く「勇気づけ」が必要です。

社員が行動しないのは失敗が怖いからですし、自分の能力に不安や自信を無くしており、逃避行動に入っているからです。

その場合は勇気づけを行い自信をつけさせる必要があります。

社員が成長する指導とは

それでは、冒頭の例のような社員が成長するには、どのように指導したらよいのでしょうか?

A:信じて任せる。
なるべく口は出さず、自力で乗り越えさせることで成長を待つ。

B:指導・指示をしたら、充分にフォローする。
報告をさせながら実態をつかみ、社員のストレス耐性を加味しながら追い込む。



答え




任せて任さず

答えはBです。

冒頭の例では、報告をさせながら、認識や対応、そしてそうなるための考え方を掴みながらの指導がなされていませんでした。
自分の期待をもとに一方的にイメージを作り指導して、それに対する行動や顧客の対応の実態を掴んでいなかったのです。
いわば「言いっぱなし」状態です。

それではいけません。
指導し、指示を出したら充分にフォローする必要があります。
そこで、京セラ創業者で名経営者の稲盛さんの話を出しながら、今後の対応について話しました。

稲盛さんは「会社に入るところから出るところまでのあなたの対応と顧客の対応をありのままに表現してください」と言って質疑応答から行動を顕在化させます。
そうすると問題意識やレベルが実によくわかるのです。
そして、どうしたら動機づけできるか、どう指導したら良いかがわかります。
その上で、実態に合った指導をすれば良いのです。

「任せて任さず」の状態です。

そして勇気づけを行いながら社員の実態を理解して、少しづつ今の課題を乗り換えていく努力を行います。感情移入が必要です。

今日からできる実践

1、 まず社員の実態を理解する

指導・指示をするにしても仕方を変える必要があります。相手の顔色を見ながら、「やりたい」と目を輝かせながら聞いているかを確認しながら、その仕事の意義や、彼出なければならない理由を相手の立場に立って説明して理解をしていただくのです。

独りよがりはいけません。

マネジメントは相手が「やりたい」と思ってくれて初めて上司の責任が果たせるのです。
相手の立場に立って理解に勤め、「想定内」を作りましょう。

人を使えるかどうかは、相手の立場に立ち、相手を理解して、行動を想定内にしながら、
自分の期待に沿った行動をしていただける状態を作れる必要があります。

2、 勇気づけを行う

勇気をくじかれてしまった人は、失敗する勇気を持てません。
行動を先送りするか、やれない理由を探してやらないか、好きなことに逃げて時間を埋めるか、
病気になって逃げるかします。

そうならないように勇気を取り戻させる必要があります。

そのためには自己尊厳を高める必要があります。できることを積み重ねて成功体験を積み上げることで自己尊厳を取り戻させるのです。

まずは協力関係を作らせることで、周りから信頼される必要があります。
なんでもよいので会社の役に立つお手伝いをさせて、仲間から感謝される状態を作ってください。

それが出来たら仕事での自分の役割における貢献です。
基礎的なことから順繰りに課題を与えて成功体験を積み重ねながら自信をつけさせてください。

大事なことは課題を共有し、僅差の成長に気づいてあげることです。
「自分は大事にされている。」「見てもらっている」「わかってもらっている」
と感じていただけることが大事です。

人は誰でもなんにでもなれるのです。

しかし焦ってはいけません。現状を受容して少しずつ少しずつ本来の力を取り戻させましょう。

愛情は必ず通じます。

頑張ってください。

 
 



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